一日は長し、一生は短し

2014.03.04

敗戦真相記

永野護という著者名に惹かれ(親戚ではないです)、本屋さんでたまたま手にした「敗戦真相記」という本。

この永野護という人は、日本商工会議所会頭を務めた元新日鉄会長の永野重雄氏を弟に持ち、その他の兄弟も政財界で活躍された広島出身の永野兄弟の長男だ。

氏は渋沢栄一の秘書を務めた後、経営者として、そして戦中戦後を国会議員として活躍し、第二次岸信介内閣の運輸大臣を務めた実業家であり政治家である。

この本は、昭和20年9月に氏が広島で行った講演録で、日本の敗戦を冷静に分析した上で、国の復興に必要なことと懸念を語っているが、その洞察力の鋭さには驚くばかりだ。

前書きで氏が「苦痛とするような点まで敢えて触れて・・・」と語っているように、かなり核心的・本質的なところまで突いていて、国家と会社の経営の違いはあるが、自分も自らの立場や仕事を振り返り、大いに反省させられた良書である。

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