一日は長し、一生は短し

2014.10.31

トレパチ!

10月上旬から85歳になる父と生活することになった。年齢から来るものなのか足が弱く、杖を頼りにした生活を家族で支え、張り合いのある人生を送ってもらおうとの思いだ。

4人の子供を育てながらの父の世話は想像以上に大変だが(大変なのは自分ではなく我が女房だが)、このような経験をせず高齢者福祉の問題には取り組めないとも考え、日々の生活に悩みながら、また学びながら前向きにやっている。

何十年も前の話だが、当社が直営店を構えていた頃(設置台数150台の小さな店)、毎日パチンコを打ちに来てくれる齢80は過ぎているだろうお爺さんがいた。その方は、毎日同じ台番の機械を打っていて、玉が出ようが出まいが決して別の台で打つことはなかった。

ところが、突然姿を見せなくなり、どうしたのだろうと思い、常連のお客様に聞いたら亡くなられたとのこと。来店されなくなり、間もなくのことだったそうだ。

それがきっかけのひとつであるが、パチンコの存在価値って何なのだろうといつも考えるようになった。自分の一生の仕事にする以上、社会的に価値のある仕事をしたいという思いもあった。

日本は世界でも屈指の長寿国であるが、同時に超高齢化社会のお手本という意味でも世界をリードしている。ところが、長生きしていることで人生を謳歌している人がどれくらいいるのだろうと考えると、少々寂しい答えが返ってくるのではなかろうか。

歳をとっても自分のことは自分でやれて、生きがいを感じながら日々生活できる社会を実現してこそ、初めて長寿国として世界に誇れる国になるのではと思う。

僕は、そういう社会を実現するカギをパチンコ産業が握っているのではと考えている。ひとつは、地域のコミュニティーとして機能する可能性を持っていること。店員さんであれお客さんであれ、人と触れ合う事は生きがいに繋がる。

次に、自分から進んで足を運ばなければいけない場所だということ。最近は、在宅で何でもできるようになり、ある意味、高齢者の生活が受身になってしまっているように感じる。勿論、健康状態によっては、それが不可欠な方も大勢お見えとは思うが、出掛けるという行動は、人を能動的にさせる。

最後に、パチンコやスロットを遊技することは、頭や体を刺激する効果があるということ。ゴールのあるゲームは、達成感を味わう事ができると共に、遊びながら脳活動を刺激し、遊技方法によっては身体機能のトレーニングを実践していることになる。

但し、真に元気な高齢者を創造していく産業になるには、もっと手軽に且つ健康的な産業として、環境整備していくことが不可欠だ。というものの、この巨大産業の将来のあるべき姿に対してはさまざまな意見があるし、大きな改革に対しては保守的になりがちで、思うように進まないというのが世の常である。

そこで当社は、まずは直接シニア産業にアタックという考えで、この度、パチンコの技術を応用して機能トレーニングの実現を目指した「トレパチ!」を開発し、発表することとした。

支援や介護が最小限で済むような高齢者が、毎日希望を持って生きていけるような社会を実現するために、この「トレパチ!」が小さな一歩となって、パチンコ産業が社会から見直され、ファンの拡大に繋がれば幸いである。

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