一日は長し、一生は短し

2011.03.11

仙台を視察して

    凛として梅
    すまし顔の木蓮
    威風堂々と桜
    頬を緩ますウグイスの囁き
    穏やかな陽光を浴びながら思う
    四季は巡る
    必ず来る春

 連日、新聞やテレビを通じて伝わってくる被災者の辛い話に、本当に心が痛む。改めて、亡くなられた多くの方々のご冥福をお祈りすると共に、被災者の方々が早く普通の生活に戻れるよう、重ねてお祈り申し上げます。

 さて、震災で一部が損傷し、業務停止中の営業所の視察の為、仙台に行ってきた。道路事情が不透明なことと、ガソリンの補給の見通しがつかないとの懸念から、空路、山形経由でレンタカーを使って仙台入りした。

 各都道府県のボランティアの皆さんの中継地点になっていることもあり、山形空港は多くの人に溢れていた。唯一存在するレストランも、食材不足からなのかメニューはラーメンのみで、昼食時ということもあり、待つこと1時間弱。「いただきます」という意味がよくわかった。

 腹ごしらえして、山形道を走り、一路仙台を目指した。地震の影響か、ところどころ凸凹はあるが、道路は空いていて1時間ほどで仙台に到着した。

 町の中の状況は、いろいろなメディアで紹介されている通りなので割愛するが、一部の飲食店やパチンコホールは営業を再開していた。店の入り口に貼ってある、白い紙の「営業中」という手書きの文字に、人間の逞しさを感じた。

 営業所に入り、被害状況を確認し、再開に向けての打ち合わせを済ませ、その後、一部の取引先をお見舞いに訪問し、被災地の状況や今後の計画等を聴かせていただいた。ガスの復旧が遅れていて、何日も風呂に入っていないという方も中にはみえたが、「負けてたまるか!」という気持ちがひしひし伝わり、こちらが励まされた。

 営業所から数百メートル海側に行ったところに、仙台市最大の被害を受けた若林区荒浜地区がある。民家が多く建っていたそうだが、壊れた車や根こそぎ倒れた樹木が折り重なり、泥に覆われた広大な地面が広がっているだけで、後は何もない。グーグルの航空写真で見ると、海のすぐそばに「荒浜小学校」があるが、子供たちは大丈夫だろうか。自然と手が合わさる。

 夜、会社の会議を抜け出して、わざわざ営業所まで来ていただいたお客様がこう言っていた。「パチンコって、何の為に存在するのだろうって考える時、この度の震災がぼんやりと答えを教えてくれたような気がする。我々を必要としてくれるお客様の為に、これからがんばっていく。」

 全店休業中のお客様で、ご本人も被災者である方のこの言葉。この大震災で、パチンコに限らず、いろいろなことがリセットされた。その時、本質的な問題が見え、存在意義が明確になる。当社は、パチンコメーカーとして、どういう社会的使命があるのか。改めて考えさせられた。

 がんばれ北関東! がんばれ東北! 明日から新年度。がんばるぞ、豊丸!

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