手紙
会社にいると毎日何かしらの郵便物が届く。
殆どの郵便物は管理本部のチェックを受け、仕事に関係のない売り込み案内やDMはそこではじかれ、社長に届くのは篩いに掛けられたものだけだ。
ところが今日は見知らぬ人からの手紙。
「親展」と表記されていないのに封も切られず社長のもとに・・・。差出人は・・・?爆弾か・・・?
それは、なんと、東京での浪人中、40年前に僕の親友のアパートの隣室に住んでいた懐かしき人物からの手紙だった。
自分の二十歳の誕生日、その人からもらった米を炊き(鍋でね)、パチンコで取ったボンカレーで寂しくお祝いしたことがいい思い出だ(笑)。
一緒に祝った親友は、第一志望の大阪外大に合格したものの、在学中に山で遭難死してから早30数年。
残念なお知らせだけど、隣人に伝わるといいな。
今は彼の高齢のお母さんが一人で居るので、時々顔を出して線香をあげながら、仏壇の彼に近況報告している。
今度行った時は、この手紙のことを伝えよう。