一日は長し、一生は短し

2007.10.01

沖縄・・・

 憲法改正議論が盛んになったせいか、最近は太平洋戦争に関する番組がテレビで放映されることが多くなったように思う。もう十数年前になるが、鹿児島の知覧に行った折、記念館だったか資料館だったか、特攻隊員の遺書を目にする機会があった。親を思い、妻を思い、子を思い、国の為に身を投げ打って死んでいく彼らから、僕は命の尊さを教えられた。
 今年の夏、沖縄に行った時、ひめゆりの塔に初めて行った。事前に浅くはあるが、ある程度の知識を持って資料館に入った。沖縄戦の悲惨な映像や、リアルに再現された壕(島民が身を潜めたり、病院として活用した地下壕)が展示されており、自分の想像していた世界がより鮮明になった。しかし、自分を一番惹きつけたのは、この戦争で犠牲になった何十人もの女学生の写真であった。そして、九死に一生を得て生き残った、当時の様子を克明に記した彼女たちの仲間の文集であった。
 写真の少女たちは、砲撃を受けて死亡したり、家族で自決したりとさまざまであるが、一様にもの悲しげに来場者に何か訴えかけている気がした。文集に目を通してみると、想像を絶する内容で、まだ小学生である我が子もそれを読んで涙した。
 過日、沖縄県民大会に11万人もの県民が参集したのは、そういう悲惨な体験は自分達だけにとどめ、事実を伝えることで命の尊さを教えたい、純粋にそう考えている人が集まった結果だと思う。

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