一日は長し、一生は短し

2008.02.29

おかしなロボット

 先日、懇意にして頂いているサム技研という会社の岩本社長から、「おもしろいものがあるよ」と誘いがあったので、久しぶりに訪問してきた。サム技研の本社工場は、愛知県東海市にあり、世界一速い封入装置を開発・販売している会社である。

 ここで扱っている世界一速い封入装置もすごいけれど、この岩本社長という人はもっとすごい。一見「巨人の星」に出てくる「左門豊作」に似た風貌ながら、卓越したアイデア発想力を持ち、それを実現する探究心と行動力が並外れている。

 そういう人だから、彼を慕っていろいろな人が会社に出入りしている。訪問した当日も、本日の主役の「おかしなロボット」の製作者だと紹介を受けた、おかしな博士風の男性がいた。何でも岐阜県の勤め先での仕事を終えたその足で、高速道路を走って毎日サム技研に駆けつけているということだ。

 住まいは日進市の方らしいが、家庭を顧みず、このロボットの研究・開発に没頭しているそうだ。そんなことしていて、よく離婚という話にならないなと感心するが、研究について話をしている姿が実に楽しそうで、没頭し過ぎて家族をないがしろにするのがわからなくもない。

 ところで、この「おかしなロボット」は、人間の骨格と筋肉を鉄製の板とバネ等で忠実に再現している。後は、単三電池2本の動力で肩を揺らすだけである。そうすると、何とこのロボットは(倒れそうになりながらも)前進するではないか!そして停止状態では、気をつけ!の姿勢でしっかり立っている。

 まあ、これが何に応用できるかは別にして、この研究に執念を燃やしている点はすごい。10年後にはノーベル賞か、はたまたホームレスか・・・(○○さん、冗談よ)。この執念は、自分も含め、研究開発に携わる者は見習うべきである。

 それで岩本社長の話に戻るが、この3月で引退して田舎に居を構え、漁をしたり野菜を作ったりしながら過ごすそうだ。会社も清算して、新たに「サム技研2」という会社を社員に起業させるそうだ。実にすごいなあ~。「サム技研2」って、パチンコ機の名前みたいだが、身の引き方は出処進退をわきまえた士そのものである。 

ページTOPへ