一日は長し、一生は短し

2008.04.30

多勢は無勢

 ニュースを見ると、明日からのガソリンの再値上げを前に、給油する車でどこのガソリンスタンドも長蛇の列だそうだ。うちのワイフも、セルフスタンドでタンクから溢れるぐらいギリギリの所まで給油してきたようなので、経済観念の薄い僕も、早く入れにゃあと影響され、今日ガソリンを満タンにしてきた。

 但し、相場より少し高いのか、僕の行っているガソリンスタンドは給油中の車が1台だけで、世間の喧騒は微塵も感じられなかった。そこで、新聞を見るとしばらく好天が続くようなので、ガソリン入れついでに、約1ヶ月ぶりに黄砂にまみれた車を洗車してもらった。

 その待ち時間に新聞を読んでいたところ、朝日新聞の天声人語にこんなことが書いてあった。「気弱になった集団の多数意見は、往々にして誤る」。これは南極観測隊を何度か率いた村山雅美(まさよし)さんの言葉だそうだが、追い詰められてからの「数の論理」は危険で、極地では全滅を招くことさえあるということだ。こういう時は「多勢に無勢」ではなく、「多勢は無勢」ということか。

 会社も悪い時はなかなか先が読みづらい。そういう時は、ついつい多数意見を尊重する傾向がある。しかしながら、村山氏の言葉に従えば、そういう時こそ、社長を筆頭に、各業務部門のトップのリーダーシップと冷静な判断が必要なんだろうなとつくづく思う。悪い時の多数意見は、往々にして無難な道を選択することになり、逆境を打破するだけの思い切った政策・アイデアは実行しづらくなるのは事実だと思う。

 今日は当社の決算日で、明日から新たな事業年度のスタートだ。ぶきっちょ社長も2年目を迎え、今期の不振を真摯に反省して、自分にとっての「起承転結」の「承」の仕事に臨みたい。

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