一日は長し、一生は短し

2008.07.07

楕円球の詩

 僕は社長業の傍ら、出身大学のOB会関連の仕事もいくつか任されているのだが、先週その大学のラグビー部を応援する会の集まりがあった。「楕円球の詩(うた)」とは、その集まりに講師として招いた日本最強のラガーマンである林敏之氏の著書のタイトルだ。

 同名の演題で約1時間、選手時代の映像をスクリーンに流しながらの講演会であったが、氏は淡々とした語り口ながら、時には拳を突き上げながら、時には涙を流しながら、ご自身の熱い思いを語られた。

 氏は高校日本代表を皮切りに、大学、社会人、日本代表と各チームとキャプテンを務めた名選手である。昔、僕が愛読していたラグビーマガジンにも何度も取り上げられ、特に似顔絵コーナーでは毎回一番投稿が多い人気者だ。

 講演会の話で非常に印象に残ったことがある。それは、自分達の力以上のもの出そうと思ったら、まず自分達の力の限界までやらなければ無理だ。限界まで到達して、ようやく持っている力以上の力が身についていく。強いチームは皆そういうチームだという話をされた。

 これは、ラグビーだけではなく、他のスポーツでも言えることだし、仕事に置き換えても言えることだと思う。本当に俺は自分の持っている力の限界まで出しているだろうか?出そうとして努力しているだろうか?それもせずして、身の丈以上のことしようとしているんじゃないだろうか?僕は林氏の話を聴いて自分に問い掛けた。

 まだまだおめえはあまちゃんだよ。口ばっかりで、本気で勝負に勝とうとしているのか!本気で変えてやろうと思っているのか!もう一人の自分が、そんな言葉で僕を怒やしつけた。久しぶりに味わった感動の1時間だった。

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