一日は長し、一生は短し

2010.03.23

正しいことと間違っていないこと

 我が家には4人の子供と1匹の犬がいて、女房はその面倒を見るのに毎日大変だ。

 子供の生活パターンはバラバラで、着替えさせたり、糞尿の始末をしたり、弁当作ったり、送り迎えしたり・・・のてんやわんやで、「これやりなさい!」「あれやりなさい!」「こんなことぐらい手伝ってよ!」と怒号が飛ぶ。

 こういう光景は我が家だけかと思って心配していたが、知り合いの家庭でも同じようなものらしく、ちょっと安心した。

 ところで、こちらに火の粉が飛ばないよう注意しながら、そんな光景を見ていてふと思ったことがある。

 「これやりなさい!」と言われて、子供は指示された事をやるのだが、次の日に子供が気を利かしてそれをやっていると、「なんでそんなことしてるの!」と叱られる。

 子供にとっては、何とも理不尽な話なのだが、整理してみるとこういうことだ。

 両日とも我が子の取った行動は間違ってはいない。しかし、昨日の状況下でやることは正しかったが、今日の状況下でやることは正しくなかった。

 つまり、「間違っていない」ということと、「正しい」ということは異なる。異なる時がある、と言った方が正解か。

 仕事上でもよくあるのではなかろうか。

 「君、よくわかってないなあ・・・」と言われる対象となった人が、(俺、間違ったことやっていないのに!)と心の中で思うけれど、本当にそれは正しい行動だっただろうか?つまり、求められていた行動だっただろうか?

 なんて考えてみると(反省してみると)、何となく理解できる話ではなかろうか。

 具体例を挙げると、新政府の「高校の授業料無償化」。学びたい人にとって、学ぶことができる支援策としては間違っていない。

 しかし、未だ止まぬ100年に一度といわれる不況の中で、優先して実施すべき政策として正しいかどうか。

 学校に見出す価値観が多様化する中で、経済的な事情で学ぶことができない人への支援策としてベストかどうか。

 まあ、こういう問題は大き過ぎるが、自分としては社長として取っている行動が正しいかどうか!今期末も近づき、まずは足下の問題を大いに反省したい。

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