一日は長し、一生は短し

2010.11.02

いもほり

 先日、幼稚園に通っている息子が芋掘りに行って、大収穫で意気揚々と帰ってきた。

 早速、新鮮なサツマイモを天ぷらにして、家族みんなで「甘いね!」とか「大きいね!」とか言いながら、炭水化物中心の夕食を楽しんだ(笑)。

 大きいもので直系15センチぐらいあり、息子は自分の顔ぐらいあるイモの天ぷらを、みんなの感嘆の言葉に照れながらかぶりついていた。

 遥か昔の話だが、僕が営業マンとしてライトバンで走り回っていた時、通りかかった畑で背中の曲がったお婆さんが畑仕事をしているのを見かけた。

 大変そうだな、と思いながら通り過ぎたのだが、あまりにも気になるものだから、一仕事済まてからその畑に戻ってみた。

 「もしよかったら手伝いますよ。」と車を停め、スーツのズボンの裾をまくり上げ、僕は畑に入っていった。

 「悪いねえ。」とお婆さん。こう言われると、期待に応えようという気持ちが妙に強くなり、本来以上の馬力を発揮する。

 芋掘りなんてやったことがなかったのだが、お婆さんから鋤を借りると「高速芋掘りマシン」に変身して、すごいスピードで次々と収穫する。(祖先は農民か・・・)

 「あんまりはよやると傷つくよ。」と言われ、傷つけないように注意しながら掘り上げていく。こんなにたくさん成っているんだなと感心しながら掘っていく。

 その後、サツマイモ以外にも何種類かの野菜の収穫を手伝って、お婆さんがその日に予定していた以上の作業を済ませた。

 「ありがとね。好きなだけ持っていきゃあ。」と言われ、ビニール袋に一杯詰めて帰った思い出がある。

 機械売らずに何してるの!?と叱られそうな話だが、普段の仕事でうまくいった時とは、また一味違う清清しい気持ちを味わうことができた。

 息子が採ってきたサツマイモの天ぷらを頬張りながら、忘れかけていた昔の話をふと思い出した次第である。

ページTOPへ