一日は長し、一生は短し

2011.01.11

旧暦寅年

 新年おめでとうございます。本年も、より一層の叱咤激励を宜しくお願い申し上げます。

 新しい年を迎えると、また歳をひとつ重ねることになりますが、最近こんなことを思うようになりました。それは、歳を重ねるということは、良きにしろ悪しきにしろ、今まで他人事だと思っていたことが身近な出来事になること。

 少年よりは青年、青年よりは壮年の方が、積み重ねてきた出会いの数は多いですし、結果的に新しいことに遭遇する機会は多いことになります。不幸にも、遭遇した出来事で苦難を強いられることもあるでしょうし、逆に宝くじに当たったような出来事で、幸福感に満たされることもある筈です。

 どちらにせよ、中国の故事「塞翁が馬」の話を肝に銘じ、得意淡然、失意泰然の気持ちで、今年は昨年以上に努力していきたいと考えています。

 さて、年が明けても暗いニュースの多い中、ここ数日マスコミを賑わせている「タイガーマスク」の話で、日本もまだまだ捨てたもんじゃないと感動させられています。日本人というのは、まだまだ潜在的に「惻隠の精神」というのを持っているのだと嬉しくなりました。

 ランドセルに始まり、野菜や米、現金など、いろいろなものが寄贈されており、それを提供された方の経済状況はわかりませんが、経済的に余裕のある方ばかりではないような気がします。皆さん、心からの善意の気持ちに立った行為のように思います。

 困った人がいれば助ける。当たり前と言えば当たり前ですし、我々が小学校で受けてきた道徳教育で学んできたことです。それがいつも間にか、効率第一主義とか成果主義の台頭で影が薄くなり、そういう行為が目立った行為にとられるようになり、気持ちがあっても控えてしまう。

 いつからそんな風潮が出来てしまったのかはわかりませんが、すごく残念なことだと思います。良かれと思ってやっても、出るくいは打たれてしまう社会・・・。タイガーマスク運動が一過性に終わらず、形を変えてさまざまな局面で、自発的・能動的に発生することを期待したいと思います。

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