一日は長し、一生は短し

2011.02.01

 先日、著名な陶芸家の話を聴く機会があり、その先生が言うには、高級な器を大切に保管する人がいるが、普段の生活で使用するから味が出る。抹茶碗であっても、日頃、それでお茶漬け食べたり、お酒飲んだりして、改めて抹茶を頂くとより深い味わいがある。

 そうだよな、「坂の上の雲」に登場する秋山兄弟の兄、好古は、陸軍士官学校在学時に、お茶碗ひとつで酒飲んだりごはん食べたりしていたもんな、と思いながら(あまり関係ないか・・・)聴いていた。

 ところで、器と言えば、我が家の器。これ食器ではなくて、我が家の広さという意味での器。ちょっと苦しくなってきた。

 今のマンションに移った時は、家族が4人。4人といっても、2歳児と0歳児を入れた4人だったので、それはそれは広く感じたものだ。

 しかし、それから10何年か経ち、家族は6人。しかも、長女は女房の身長をあっという間に追い越して、人間の体積の比で言うと、4:6ではなく4:8、いやいやもう一声!4:10ぐらいの感じだろうか。

 入居当時は、自分の部屋に大きな机を置いて、一人読書に耽る。な~んて生活ができたものだが、そういう時期は一瞬で終わり、マイルームはやがて納戸と化し、机は取っ払われ(現在、会社で使っている)、この度とうとう退去命令が出てしまった(笑)。

 というのも、次女がこの4月から中学生になるし、三女も中学受験がしたいと言って、落ち着いて勉強できる環境をということで、僕の安息の場が二人の勉強部屋に取って変わられるということだ。

 まあ、仕方がないかな、と肩を落としながらも、家にいるスペースがなくなった分、もっと仕事ができる環境ができたのだ!と前向きに考えてがんばりたい。 

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