一日は長し、一生は短し

2012.03.09

震災から1年に思うこと

 間もなく、あの大震災から1年を迎えるということで、新聞やテレビでさまざまな特集記事や番組を目にする。

 思い返せば、地震が発生した日は、当社の仙台営業所が場所を移し3月14日のオープンに向けて準備をしている最中で、幸い社員に怪我はなかったものの、綺麗に改装した事務所の天井は剥がれ落ち、荷物は散乱し、駐車場のアスファルトは大きく波打つという状態だった。

 その直後、現地の情報がなかなか掴めず、とにかく現地入りして対応策を検討しようということで、当面必要な物資をキャリーバッグに詰め込んで、3月下旬に山形空港経由で仙台に入った。

 当社の新営業所は、仙台で最も被害の大きかった荒浜地区から程近い場所にあり、津波による海水も目と鼻の先まで押し寄せたとのことだった。

 取り敢えず営業所の状況を確認し、その後、何時間も並んで漸く入れられたというガソリンを積んだ営業車で荒浜地区に入り、その被害の甚大さに驚愕したのは、ついこの前の事のように思えてならない。

 5月に仙台に行った時は、石巻まで足を伸ばし、長い堤防の陸側全体を覆う瓦礫の山に、津波の大きさと恐ろしさを感じ、身が震えた。同時に、多くの亡くなられた方たち、特に大川小学校の子供たちの心中を想うと、目に涙が溢れ心が痛んだ。

 そして先月、震災から三度目の訪問となったが、賑わう繁華街や大型トラックで渋滞する道路に復旧・復興の勢いは感じたが、一方で未だ狭い仮設住宅で暮らす多くの人たちは不便な生活を強いられているだろうし、将来に大きな不安を持っていることと思う。

 僕や会社にできることって何だろう? 震災を機に、この1年、そんなことを日々考えてきた。未だに明確な答えは見つからないが、悲しみや辛さが少しでも和らぐよう、その気持ちを感じてあげること。そして将来に向けて前向きに取り組んでいこうという気持ちを押してあげること。それが大切なのかな。

 被災された多くの方々が、着実に一歩一歩前進される事、それを心からお祈りし、応援していきたいと思う。

ページTOPへ