一日は長し、一生は短し

2012.09.10

季節は秋?

多くの会社が中間決算を迎える9月に入ったが、日中はまだまだ猛暑が続いている。それもその筈、旧暦で見ると、今は漸く7月後半に入ったところで、これから夏真っ盛りということだ。

 以前、ラジオを聴いていた時に「陰暦暮らし」という本の紹介をしていたが、季節のうつろいを感じながら暮らすには、陰暦(旧暦)を参考にして生活するのがいいという話だった。

 それでも、朝夕は随分過ごしやすくなったように感じるし、今朝の出社前、普段通りの短パンに上半身裸のスタイルで過ごしたせいか、突然の鼻水とくしゃみの地獄を味わった。やっぱり季節は秋なのか。

 さて、今は就職氷河期と言われるが、僕が就職活動していた頃も、大変厳しい時代だった。そんな中、何とか転がり込むような形で、大手監査法人に見習いとして採用されることになった。そこに在籍した3年半、いくつかの大企業に監査で訪問し、業務上それぞれの会社の深いところまで立ち入ることが多かったが、それは僕にとって大企業の組織のあり方を知る上でいい機会となった。

 そんな風に3年半のサラリーマン生活を経て、家業である豊丸産業へ入社したのだが、前職では誰でも知っているような大会社しか見てこなかったこともあり、入社後の数年間は自社の悪い点ばかりが目についた。そこで、営業マンとして3年過ごした後に企画管理室という部署を新設し、大企業のやり方を見習って、会社の諸規定の整備や業務のマニュアル化に奔走した。

 その後も、規約とか制度とかを整えながら、会社として一人前に見られるよう努めて来たが、そういう細かい決め事が会社や社員の成長を阻害しているのではないかと、最近思うようになってきた。

 勿論、国家の憲法のように、会社の基幹となるような規則は必要であろうが、後は経営者や社員がしっかりした見識や正しい道徳観を持っていれば、細かいことを決めなくても間違った行動を取ることはないだろうと考える。

 逆に、過剰な規約や行き過ぎた制度は、自律心が育って行くことを阻害することになりかねないし、その結果、不測の事態に直面した時に、適切な行動が取れない社員を創っていくことになるのではと思う。躾さえしっかりしておけば、放っておいた子の方が逞しく育ち、過保護や過干渉はそれを邪魔することと同じ理屈だ。

 そんなことを思いながら、自分が入社した頃の豊丸産業を思い返すと、規程があるような無いような会社ではあったし、日々の職場はいい意味でも悪い意味でも変化に富んでいたが(笑)、人間味豊かな社員に溢れていて、それなりにユニークな商品を開発していたことを思い出す。

 豊丸産業の半世紀以上の歴史の中で、変えるべき事と変えてはいけない事をしっかり見極めながら、見識やモラルが重視される職場風土を創り、その結果、余計な規程は必要としない、そんな会社を目指して行きたい。

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