一日は長し、一生は短し

2013.05.15

さあ、出航!

 当社は昭和35年に株式会社として設立され、この5月から54年目を迎えている。前年度は相変わらずの販売台数低迷だったが、「重厚長大」とは一線を画し、この数年取り組んできた「軽薄単快」をコンセプトとする製品が、一定の評価をいただけるようになったのは本当に嬉しい。

 この度も、京都に本社を置く(株)王将フードサービス様に全面協力いただいた「CR餃子の王将2」の受注が好調で、社員の仕事振りも何となく活き活きしているように感じる。

 僕は学生時代と社会人の7年半、京都で生活していたこともあり、同社の営業店では随分お世話になった。お金を持ち合わせていない学生には、1時間食器洗いを手伝えば、好きなものを腹いっぱい食べさせてくれるという、学生には誠に優しい会社だった。

 そんな訳で、昔も今も多面的にお世話になっている王将様が、本場中国で日本の庶民の味を広めようと、大連に数店舗出店し市場開拓を始めている。日本の王将からアジアの王将へ、そしていつか世界の王将へ。是非とも成功してほしいと思う。

ところで、当社だが、新年度を迎え、王将様のように世界へ!と行きたいところではあるが、まずは今の低迷からの脱却だ。その為に何をするのか。

 それはパチンコを余暇のひとつとして楽しんでくれるファンの減少を食い止め、遊技される方がお金や時間を消費していただいた分、満足感を持つことができるようなパチンコ機を作ること。

 人は自分の欲求を満たす為にお金や時間を消費する。腹を満たす為に食事に行くし、仲間との会話を楽しむために酒を飲む。他者を助けるために義援金を出すことで、人助けができるという満足感を得る。

 そう考えると、消費するお金や時間に見合った満足が得られなくなってきたことが、パチンコファンが減少している理由のひとつではなかろうか、と考えてもいいだろう。

 パチンコ業界が再生するにはいくつかの課題があるだろうが、僕が考えるメーカーとしての当社の課題だが、「遊技の主体が機械からプレイヤーへ」と掲げ、まずは当たりやすい機械を提供することで、再生の一助となればと思う。

 ある程度打てば当たりを引いて、その出玉でまた遊ぶ。比較的軽めの確率なので、運がよければまた当たり、そうでなければ玉が無くなる。そういう機械なら、きっとプレイされているお客様はこう思ってくれるのではないだろうか。「あの時にやめておけばよかった。」 これこそ、正に自己責任の娯楽であり、昔、僕がパチンコに親しんだ時の感覚だ。

 ただ、今ある機械を否定している訳ではない。産業は成熟すればニーズは多様化する。要は、もっと多種多様な機械が必要だということだ。主役級の機械が必要だし、脇役となる機械も必要だ。脇役陣がしっかり働くことで主役が生きる。その為に、ホール様には脇役陣を充実させてもらい、その中で助演男優賞や助演女優賞をもらえるぐらい活躍できる機械。今年度、豊丸産業は、まずそれを目指したいと思う。

 ヘルシング99VV、セクシーフォール99VM、王将2の甘仕様とこれまで進めてきたが、今後も継続的に「軽薄単快」をコンセプトに、一味違う機械を提供していきたい。本年度は、それを徹底する1年にしたい。

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