一日は長し、一生は短し

2022.07.29

穂高に生きる

会社にいる時に、時々ランチで行く居酒屋さんが、今日は珍しく閑古鳥が鳴いていました。

会社から歩いて5分程度の場所にありますが、そんな短時間でも露出した肌に突き刺さる陽光が強烈なので、皆さんお昼食べに出掛けようという気になれないのかもしれません。

戻り梅雨が明けて、いよいよ本格的な夏の訪れですね。

本当なら、こんな日は蓼科にでも出向いて、リモートで仕事しながら空いた時間に山登りでもしたいところですが、そういう夢の生活はしばらくお預けです。

来週には、会社の四半期全体会議があり、今期スタートの振り返りと、この先9カ月の業務計画の確認をしなければなりません。

そんな訳で、もっぱら山登りは本を読みながら、想像の世界で楽しむことにしています(笑)。

実は、ここ数年の私の愛読書はヤマケイ文庫です。

今読んでいる本は、今田重太郎氏(1898年生誕、1993年没)が著され、穂高岳山荘創設50周年記念で出版された「穂高に生きるー50年の回想記」です。

氏は男6人、女5人の11人兄弟の三男で、岐阜県上宝村に生まれ、山の中で育ちました。

そんな環境でしたので、兄弟がそうであったように、自然と氏は山の案内人として生きることとなり、1923年25歳の時に奥穂高岳直下に、後に穂高岳山荘となる穂高小屋を築かれました。

当時はまだ山小屋が数少なく、登山隊は大人数で編成し、食糧は勿論、鍋釜や幕営装備等を背負子に括りつけ、重装備で登ったそうです。

それを省力化しようと、食事を提供するためにできたのが山小屋だそうです。今は清潔で美味しい食事が当たり前と思っていますが、こういう歴史を知ると大いに反省し、また感謝しなければと思います。

本著は、日本登山の黎明期から、井上靖氏の著作で登山ブームを巻き起こした「氷壁」の時代の話まで、時系列に槍・穂高の登山史が具体的に描かれています。

槍・穂高の地図を追いながら、この本を読んでいくと、現地の光景が頭に浮かんできて楽しいです。

写真「穂高に生きる」.jpg▲穂高に生きる

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